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【著作権法】画像や漫画の違法ダウンロードに対する刑事罰化は見送りへ

  • 作成日:2019/02/15
  • 更新日:2019/03/20

2019年に入り漫画を含む静止画像の違法ダウンロードが大きなニュースになっているので、 現在の状況を簡単にまとめました。

【著作権法】画像や漫画の違法ダウンロードに対する刑事罰化は見送りへ

漫画のダウンロードが著作権法違反へ

違法ダウンロードは以前から問題視されており、音楽や映画などについては2012年に刑罰の対象になっています。 今回はさらに漫画を含む静止画像や文章も著作権法違反で刑事罰化の対象になるため話題になっています。

画像やテキストも違法対象へ

ただし条件があります。それは「違法と知りながらダウンロードした場合」に限ります。 この条件がややこしい問題の1つになっていますが、これについては後述します。

スクリーンショットも違法

普段何かと良く使うスクリーンショットですが、これも違法の対象です。 例えば、著作権を侵害している動画と知りながらそれをスクリーンショットで撮影するのは違法となります。

違法化の対象が広がった原因

事の発端は海賊版サイト「漫画村」の問題が原因です。 今は閉鎖されていますが、漫画村は無料で漫画や雑誌を閲覧できるサイトで、著作権を大きく侵害していました。 被害総額は何千億ともいわれています。

補足

漫画家からは「漫画村が閉鎖したことで、正規の電子書籍などの売り上げが何倍にもなった」という報告もあるほどです。

漫画村のような海賊版サイトによる被害をなくそうと、違法ダウンロードの対象に漫画やテキストが加わったのが今回のニュースの背景です。

問題は山積み

漫画などを違法ダウンロードの対象にするのは賛否両論ありますが、 まだ大きな問題が残っています。例えば以下のようなことです。

  • 「違法と知りながら」を判断するのが難しい
  • 2次創作活動をする漫画家の行動を制限する
  • ダウンロードしない海賊版サイトには意味がない

詳しく解説していきます。

違法と認識しているかの判断

違法となるのは、ダウンロードする漫画や文章が「違法であると知っていた場合」です。 知らずにダウンロードしたら現時点では違法とはいえません。

人の心の中は本人にしかわからないので、本人が「違法とは知らなかった」といえばそれまでです。 ゆえに、何をもって「違法と知りながら」を判断するのか難しいのです。

2次創作活動の制限

2次創作をする漫画家は0から作品を生み出すだけではありません。何かを参考にしている場合も多々あります。 例えば、ネットにある画像もそうでしょう。

しかし、静止画像が違法ダウンロード対象となればそれができなくなります。 したがって、創作活動に制限がかかることになり、漫画家の足枷になってしまうのです。

ストリーミングは違法対象外

海賊版サイトにも色々な種類があり、漫画をダウンロードしないと読めないサイトもあれば、 ダウンロードしなくても読めるストリーミング形式のサイトもあります。

ストリーミングとは

ストリーミングとは動画や画像を端末に保存することなく、その場で再生することをいいます。

今回の漫画ダウンロードの違法化は、ダウンロードしないで読めるストリーミング形式の海賊版サイトには意味がありません。

しかも原因となった漫画村はストリーミングで読めるサイトだったので、もしも漫画村が今も存続していたら違法対象になっていないのです。 ゆえに、根本的な海賊版サイト対策にはなりえません。

音楽と映画は既に刑事罰化の対象

前述したように、音楽・映画は既に著作権法で刑事罰化の対象になっています。

補足

刑罰は2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金です。

ちなみに、親告罪なので警察側からは動かず、摘発例はでていない状態です。 違法ダウンロードの抑止効果はあったようですが、その効果は未知数です。

ゆえに、漫画などを違法対象にしても摘発例がでない無意味な改正案になってしまうのではないかという意見もあります。

結果的には見送りへ

色々と話題になりましたが、最終的には見送る方向になりました。 漫画界だけでなく、建築業界など様々なところから反対意見がでていましたね。

異例なスピードで進めてきた改正案でしたが、きちんと議論されてきたのか疑問との声もありました。 海賊版サイト対策のはずが、一般的な創作まで制限することになりかねないとのことです。

影響範囲が大きい改正案は、慎重に議論を進めてほしいものですね。

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