還付金額はいくら戻る?源泉徴収票で医療費控除額を簡単に計算する方法
- 作成日:2018/09/03
- 更新日:2018/11/26
高額な医療費を支払った年は医療控除が適用できるか確認することを強くお勧めします。 還付金として、お金が戻ってくる可能性があるためです。
還付金の計算方法
医療費控除により戻ってくる金額は以下の計算式で求めることができます。
ご覧の通り難しい計算式はありません。医療費控除額と所得税率の2つがわかれば良いのです。
また、所得税率を求めるには「課税される所得金額」を知る必要がありますが、 こちらは源泉徴収票があれば簡単に計算できます。詳細は以下のページにまとめています。
所得税率がわかれば、あとは医療費控除額を求めるだけで還付金を計算できます。 医療費控除額については次項で詳しくご説明します。
医療費控除額の計算方法
医療費控除額は年間所得金額が200万円未満の場合と、 200万円以上の場合で計算方法が少しだけ異なります。
年間所得額は源泉徴収票で確認ができます。詳しくは以下を参照ください。
年間所得金額を確認したら医療費控除額を計算できます。 医療費控除額は年間医療費から保険金と一定金額を差し引いて求めます。
保険金とは、加入している保険会社から支払われた金額です。 保険金を受け取っていない場合は0で計算します。
そして、医療費控除額の上限は200万円です。 1月~12月の期間で支払った医療費が200万円を大きく超える場合はご注意ください。
年間所得金額が200万円未満の場合
年間所得が200万円未満のときは、医療費控除額は以下の式で計算できます。
赤字の金額は5%という割合なので、所得が低いほど引かれる金額は少なくなります。 年間所得200万円未満なので、必ず10万円未満になりますね。
例
簡単な例をあげて計算してみます。例えば、1年間で支払った医療費が50万円で、年間所得が100万円とします。 なお、保険金は受け取っていないものとします。
この場合の医療費控除額は45万円ですね。 今回は年間所得が200万円未満だったので年間所得の5%(200×0.05=5万円)を最後に差し引いています。
年間所得金額が200万円以上の場合
年間所得が200万円以上のときは、医療費控除額は以下の式で計算できます。
こちらの場合は一律で10万円が差し引かれます。
例
1年間で支払った医療費が100万円で、年間所得が250万円だとします。 なお、20万円の保険金を保険会社から受け取っていると仮定します。
この場合の医療費控除額は70万円ですね。 保険会社から支払われた保険金の他に、 年間所得が200万円以上なので最後に一律で10万円引かれています。
具体例
全体を通して具体的な例をあげて計算してみます。
条件
具体例の条件は以下とします。
- 年間の医療費:300万円
- 保険金:30万円
1年間の医療費が300万円かかりましたが、別件で保険会社から既に30万円支給されているという条件です。 医療控除をする人の収入事情は源泉徴収票で以下のように仮定します。
年収(支払金額)などは不要です。「給与所得控除の金額」と「所得控除後の額の合計額」の2つがあれば計算できます。 今回はそれぞれ500万円、200万円としています。
計算
実際に計算していきましょう。還付金の求め方は以下の式でした。
まずは所得税率から求めてみます。所得税率を求めるには「課税される所得金額」がわかれば良いのです。この例だと源泉徴収票の②-③となり、 課税される所得金額は300万円となるので、所得税率の一覧表より所得税率は10%となるのがわかります。
続いて医療費控除額を求めます。年間所得は②より500万円です。年間所得が200万円以上なので、計算式は以下のようになります。
計算すると医療費控除額は260万円ですが、医療費控除額の上限は200万円です。ゆえに、還付金は以下のような計算式になります。
還付金は20万円となります。ちなみに、医療費が高額で収入が多い人ほど還付金も多額になってきます。