【最新版】その会社は入社しないほうがいい？ブラック企業大賞一覧のまとめ

作成日:2018/05/10

毎年ブラック企業大賞が発表されているのをご存知ですか？現在と過去を含めて、受賞企業をまとめました。

ブラック企業大賞とは

そんな賞があるの？というようなタイトルですが、正式にあるのです。弁護士や大学教授、NPO法人で構成される11人の「ブラック企業大賞企画委員会」が運営しており、 2012年から開始された賞です。

選び方

ブラック企業の選出方法ですが、ブラック企業大賞企画委員会が意見を出し合いながら決めていきます。一般アンケートも実施しているため大衆の意見が入っていないわけではありませんが、ある程度委員会の主観が入っている賞であることにご注意ください。

もちろん委員会も適当に決めるなどではなく、ブラック企業を選ぶ指標を用いています。指標の例を挙げると「長時間労働・セクハラ・低賃金・残業代未払い・コンプライアンス違反」などですね。

最終的な決定は委員会内で意見を出し合い総合的に判断しているようです。

賞名	企業名	主な理由
大賞	アリさんマークの引越社	社員をシュレッダー係にして人権を侵害した。同社は2015年にも社員をシュレッダー係にした後に懲戒解雇して賞を受賞している。最終的に解雇は撤回されたものの、なんとシュレッダー係を2年も継続させ今回大賞に輝いた。
特別賞	大成建設株式会社・三信建設工業株式会社	東京オリンピックの建設工事による過度な残業時間。 2社が受賞しているが、大成建設が元請け、三信建設工業はその一次下請け企業であった。
業界賞	新潟市民病院	月平均180時間を超える過度な残業。ただし自身の申告は48時間。130時間以上の差分は学習時間とされ、残業と見なされていなかった。
ブラック研修賞	ゼリア新薬工業株式会社	委託先の研修で新入社員が精神的に追い詰められた。直接的な原因は委託先企業であるが、それを選んだゼリア新薬にも問題があるとして受賞。
ウェブ投票賞	日本放送協会（ＮＨＫ）	ブラック企業を選ぶ一般のWebアンケートにて、他の追随を許さない最多票を獲得。

過去のブラック企業一覧

過去にブラック企業大賞及び各賞を受賞した企業を一覧にしてまとめました。

2016年

2016年のブラック企業大賞は電通です。美人女性社員のことでかなり話題になりましたね。また、この年は日本郵便が2つの賞を受賞しています。

賞名	企業名	主な理由
大賞	電通	24歳の新入社員に対してパワハラをしたことや、100時間を超える長時間残業。
業界賞	ディスグランデ介護株式会社	給与の未払いや夜勤の1人体制など、過酷な労働環境であったこと。
業界賞	株式会社プリントパック	社員が印刷機に巻き込まれる事故があったことや、労働組合を組んだ長時間労働者に対して差別的な対応をしたことなど。
特別賞	日本郵便株式会社	パワハラ問題など。Web投票では2位以下を大きく突き放して圧勝した。
ウェブ投票賞	日本郵便株式会社	同上。この年は日本郵便株式会社が特別賞とWeb投票賞をダブル受賞した。

2015年

2015年のブラック企業大賞はコンビニ大手のセブンイレブンです。また、アリさんマークの引越社が2つの賞でダブル受賞となっています。

賞名	企業名	主な理由
大賞	セブンイレブンジャパン	同社のフランチャイズに加盟している会社に対して、賞味期限が迫っている商品を売れ残らないようにする値下げ(見切り販売)を妨害した。
特別賞	暁産業株式会社	上司のパワハラ問題等。
ブラックバイト賞	明光ネットワークジャパン	塾講師のアルバイトに対して不適切な労働対応。具体的には授業の準備や見送りなどの時間に対して賃金が払われない等。
アリ得ないで賞	アリさんマークの引越社	社員をシュレッダー係に配属した後に懲戒解雇をした。東京地裁に申し立てて懲戒解雇は撤回されたが、その社員の顔写真を解雇理由と共に社内報として載せるなどをした。
ウェブ投票賞	アリさんマークの引越社	同上。この年はアリさんマークの引越社がアリ得ないで賞とWeb投票賞をダブル受賞した。

2014年

2014年のブラック企業大賞は家電量販店でお馴染みのヤマダ電機です。ヤマダ電機はウェブ投票賞も受賞しており、大賞を含むダブル受賞です。

賞名	企業名	主な理由
大賞	ヤマダ電機	106時間を超える残業時間等。対象となった社員は未経験入社であり、入社して早い段階で管理職になっていた。しかし、退勤時刻を打たせない等の不適切な労働環境であった。
特別賞	東京都議会	議会中に発言した女性議員に対して「早く結婚した方がいいんじゃないか」のヤジが飛んだ。これは女性蔑視するセクハラ発言であり、今後の女性議員の仕事に支障がでるとみなされる。
業界賞	A-1 Pictures	長時間労働と賃金の未払い。残業時間は340時間を超えるときもあった。さらに帰宅できず会社で夜を明かすことや、休みが取れず連日連勤するときもあった。
業界賞	不二ビューティ	「たかの友梨ビューティクリニック」ともいう。長時間労働と賃金の未払い等のため受賞。
要努力賞	ゼンショーホールディングス（すき家）	長時間労働等。具体的には24時間以上の勤務を繰り返し、結果的に月で500時間以上の勤務時間となった。
ウェブ投票賞	ヤマダ電機	大賞と同上。この年はヤマダ電機が大賞とWeb投票賞をダブル受賞した。

2013年

2013年のブラック企業大賞は労働環境が悪いことで有名なワタミです。その他にも大学など教育関係の受賞が目立ちました。

賞名	企業名	主な理由
大賞	ワタミフードサービス	入社して間もない社員に対して過労死ラインの80ｈを大幅に上回る140時間以上の残業を強制。自宅に帰宅できない日や連日の勤務もあった。さらに同社社長の著書を自腹で買わされ、感想文を提出させられた。
特別賞	東北大学	東北大の薬学部男性助手が100時間を超える長時間残業。当初は研究ができるといわれていたが、助手になってみると機材の修理や学習指導などであった。さらに生殖機能異常などの副作用がある抗がん剤の実験も指示され、「もう子どもはできない」と周囲に漏らしていたいう。
業界賞	クロスカンパニー株式会社	110時間以上の長時間残業。入社した年に店長を任されたが、売り上げ目標が達成できず追い詰められていた。「売り上げが達成できなければ休みも給与もない」と提示されたようで、やがて自社の製品を5万円以上自腹で購入した。
教育的指導賞	ベネッセコーポレーション	社内に人財部付という部署を設立。これは「社内で仕事がないため、配属先の部署を決めるまでの一時的な場所」というが、実態は退職を推奨するために置かれた場所に過ぎない。仕事内容も雑用的なものが多かった模様。

2012年

2012年のブラック企業大賞は東日本大震災で話題となった東京電力です。これを受けて、東電の株価は大暴落しました。

賞名	企業名	主な理由
大賞	東京電力	東日本大震災による福島第一原発事故後の対応で、多くの作業員が被爆の危険にあったこと。さらに原発稼働や点検は東電の社員ではなく６次まで下る下請け企業が担当しており、安全管理方法が問題となった。
特別賞	ウェザーニューズ	入社した社員に対して過剰すぎる上司の叱責で精神的に追い詰めたことなど。さらに月200時間を超える長時間の労働もあった。
業界賞	富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ	富士通SSLともいい日本の大手企業「富士通」の下請け企業。 80時間以上の長時間残業があり、職場環境も劣悪で狭い場所に多くの社員がいたとのこと。
業界賞	フォーカスシステムズ	継続的な長時間の残業があり、多い月は200時間以上の残業がある月も。年間でみると1350時間もの残業があった模様。
市民賞	ワタミフードサービス	入社間もない社員に対しての長時間労働など。具体的には、入社後１か月後の5月には140時間以上の残業があった。
アリ得ないで賞	ゼンショー	賃金の未払い。さらに残業代の他に紛失した50万以上の金を店長が天引きされた。天引きした金の返金を要求したが同社は拒否した。