【医療費控除】申請者は家族で誰がお得か。夫と妻どっち?所得は関係ある?
- 作成日:2019/01/24
「医療費控除は収入が多い人がやると良い」とよく言いますが、条件によってはそうとは限りません。
家族でも医療費控除を申請できる
前提として、医療費控除の申請は治療した本人でなくても申請ができます。 例えば、妻が治療して夫が医療費控除を申請することも可能なわけです。 もちろん子どもでもOKです。
つまり、生計が一緒の場合は誰が申請しても良いのです。
仕送りなどで別居していても申請できる場合もあります。
申請者は誰がお得か
結論から言いますと、年間所得が200万円以上の場合は所得が多い人が医療費控除を申請したほうがお得です。 一方で、年間所得が200万円未満の場合は収入が少ない人が申請した方がお得となります。
「医療費控除は家族の中で一番収入が多い人がするべき」という情報は、年間所得が200万円以上の場合の話です。 「どんな場合でも」という話ではないためご注意ください。
また、年間所得は源泉徴収票から簡単にわかります。詳しくは以下にまとめています。
医療費控除の求め方は以下にまとめています。
次項でも簡単なサンプルを紹介します。
具体例
年間所得が200万円以下の場合、収入が低い人が申請した方が得であることを証明してみます。 この場合の医療費控除額は次の通りに計算できます。
赤字で記載した5%というのが重要です。年間所得の5%なので、所得が多ければ多いほどこの値は大きくなります。 つまり、引かれる金額が多くなり医療費控除額も少なくなってしまうのです。
年間所得が200万円以上の場合は一律で10万円引かれるので、 所得が多い人が申請した方が良いのです。
では、実際に計算してみます。年間所得が200万円以下の夫「Aさん」と妻「Bさん」の二人が申請するとどうなるか見てみましょう。
年間所得が多い人の場合
まずは所得が多い夫のAさんが医療費控除をした場合の例です。条件は以下とします。
- 年間所得:160万円
- 年間の医療費:100万円
- 保険金:10万円
先ほどの計算式に当てはめると次のようになります。
年間所得の5%なので最後は8万円引かれます。ゆえに、医療費控除額は82万円となります。
年間所得が少ない人の場合
次に所得が少ない妻のBさんが医療費控除をした場合の例です。年間所得以外の条件はAさんと同じです。
- 年間所得:80万円
- 年間の医療費:100万円
- 保険金:10万円
先ほどの計算式に当てはめると次のようになります。
年間所得の5%なので最後は4万円引かれます。ゆえに、医療費控除額は86万円となります。 ご覧の通り、夫のAさんより多い金額となりました。
まとめ
「医療費控除は所得が多い人が申請すると有利」というのはよく聞きますが、一概に「誰でも」というわけではありません。 今回の記事では、「条件によっては年間所得が少ない場合が有利になることもある」ということをお伝えしたかったのです。
簡単にまとめると、家族で200万円以上の年間所得者がいない場合、一番所得が少ない人が医療費控除を申請するとお得です。