インプラント周囲炎とは?原因は何?
- 作成日:2018/07/17
- 更新日:2018/07/25
インプラントの病気の一つ「インプラント周囲炎」についてまとめました。
インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎とはインプラントの歯周病のことです。 病気の段階は2段階あり、最初はインプラント周囲粘膜炎となり、 症状が重くなるとインプラント周囲炎とレベルが上がります。
インプラント周囲粘膜炎ではインプラントの周囲の粘膜に炎症が発生するにとどまりますが、 インプラント周囲炎になると顎の骨にまで炎症が発達し、最終的にはインプラントが抜けてしまう怖い病気です。
進行が早い
インプラント周囲炎が恐ろしいのは天然歯の歯周病と比較して進行が早いことです。
天然の歯には歯根膜というものがありますがインプラントにはありません。 ゆえに、通常の歯より抵抗力が弱いので細菌に感染しやすいうえに、進行も通常の歯より早く歯周病が進みます。
天然の歯と比べると10~20倍の速さで進行するという情報もあります。
気がつきにくい
インプラントには歯の神経がないので痛みや疼きなど感じることはありません。 インプラント自体もグラついたりはしにくいのです。
つまり、自覚するのが難しい病気です。水面下で歯周病が進行するのでインプラントの歯周病は自分では気が付きにくいのが厄介なところです。
対策としては、専門の歯科医で定期的に検査をしてインプラント周囲炎になっていないか確認をすることが大事です。
発生確率
2016年11月のニュースでインプラント周囲炎についての報道がありました。 内容は日本歯周病学会がインプラント患者267人に対して調査を行った結果報告です。
それによると、インプラント周囲炎になっている人が約10%、 前段階の炎症になっている人は43%になるという結果がでています。
前段階の炎症は回復が見込めるようですが、インプラント治療をした人のうち半数近くの人が的確なお口のケアができていないという実態となっています。
インプラントの埋入本数が多いほどインプラント周囲炎になる確率は高いそうです。 4本を超えてくると確率が15倍になるというデータもあります。
原因
インプラント周囲炎になる原因はお口の中が不衛生になっていたためです。
インプラント自体はチタンなどでできているので虫歯になりませんが、 インプラントの周辺は骨や歯茎なので人工物ではありませせん。
ゆえに、口の中を清潔に保っていないと根元に歯垢(専門用語でプラークといいます)がたまっていき歯周病になり、骨が溶けていってしまうのです。
治すのは難しい
インプラント周囲炎は「CISTの分類」というもので進行度合いを分類し治療するのですが、 インプラント周囲炎になると元の歯の状態に戻すのは困難です。 ゆえに、治療は治すというより改善するというスタンスになります。
歯周病が早めに見つかれば良いのですが、発見が遅れれば外科治療も必要になってきます。
また、インプラント周囲炎になり骨の吸収が止まらず治療が見込めない場合は、 早急に摘出する必要があるので素早く的確な判断が必要です。 早く処置しなければ、骨が少なくなってしまい再度インプラントを埋入するのが困難になります。
インプラント周囲炎になった後の根本的な解決は難しいので、予防することが最大の対策となります。 もちろん放置しておいても自然に治ることはありません。
定期メンテナンス
インプラント周囲炎の治療が完了しても、感染が進行していないか確認をします。 そのためには定期的にレントゲン撮影を行う必要があります。
せっかく高い費用を払いインプラントを埋入しているので、定期メンテナンスは欠かさず行い、 インプラント周囲炎になったら早急な改善をしましょう。