【インプラント】1回法と2回法の違いは?各術式のメリットとデメリットまとめ
- 作成日:2018/07/16
- 更新日:2018/07/29
インプラント治療の仕方で1回法と2回法の違いと特徴をまとめました。
インプラント治療について
1回法と2回法の説明をする前に、事前知識としてインプラント治療について簡単に解説しておきます。
インプラント治療は人口の部品を顎の骨に埋め込み、その上から人口歯を被せる治療方法です。
具体的には、顎の骨にインプラントを埋め込み、そこに人口の歯を被せます。 インプラントと人口歯の連結はアバットメントといわれる部品を使います。
インプラント治療には1回法と2回法という2つの方式がありますが、 手術回数や手順が異なるだけで、最終的には上記画像のような形になります。
基本的には、どちらも最初の手術から数ヶ月後に義歯の作成をするのですが、 すぐに作成しないのはインプラントと骨がしっかりと結合するのを待つためです。
インプラントと骨の結合
インプラントと骨は2段階で固定します。
- 1次固定:手術直後の固定。医師の技術に左右される
- 2次固定:インプラントと骨が骨結合する。2~6か月かかる。医師の技術でなくインプラントの表面性状に関係する
トータルでは3~10か月になるため、本当に結合するまでに時間がかかります。 当日または数日で結合させる方法もありますが、基本的には急がずに時間をかけて結合したほうが良いでしょう。
1回法
まずは1回法のやり方からご説明します。 名前の通り、1回法は手術が1回の治療方法です。
治療方法
1回法の治療手順は以下のようになります。
- インプラントを埋め込む手術をする(頭を露出する)
- 埋め込んだインプラントが骨と結合するまで待つ
- 人口の歯を装着する
1回法では歯肉を切開してインプラントを埋め込むのですが、 この時インプラントの頭は露出したままにして、一時的にアバットメントを装着します。
骨とインプラントが結合したら、インプラントに人口歯を装着します。
メリット
1回法のメリットは手術が1回で済むので、2回法よりも患者の体に負担がかからないことです。 費用面においても2回法よりも安い傾向にあります。
また、1回法には手術をしてすぐに人口歯を装着する「即時負荷」と言われるものもあります。 数ヶ月かかるインプラント治療を僅か1日で済ます治療方法ですが、歯の状態が良く技術力も必要とする難易度の高い治療方法です。
よって、即時負荷を歯科医から提案されたらリスクを必ず確認するようにしましょう。
1回法でも数ヶ月かけてじっくり治療する「遅延負荷」もあります。 2回法までとはいきませんが、即時負荷よりもリスクが低いといえます。
デメリット
1回法では最初の手術でインプラントの頭部分が露出するので、感染のリスクが2回法と比較して高めです。
また、露出している状態で骨とインプラントが結合するのを待って生活するので、 日々の生活でインプラントの露出部分に負荷がかかる場合があり、骨との結合に支障がでる可能性があります。
そして、1回法は誰でもできる治療方法ではありません。 歯の状態が良くないとできないため、1回法を選びたくでもできない患者もいます。
2回法
次に2回法のやり方をご説明します。 こちらは手術が2回の治療方法です。
治療方法
2回法の治療手順は以下のようになります。
- インプラントを埋め込む手術をする(顎の骨に全て埋め込む)
- 埋め込んだインプラントが骨と結合するまで待つ
- 歯肉を切開してアバットメントを装着する
- 人口の歯を装着する
2回法は1回法と違い、最初の手術でインプラントを顎の骨に全て埋め込みます。 顎の骨の内部で結合するのを待つので、1回法よりも確実に結合できます。
ただ、骨とインプラントが結合したら再び歯肉を切開してインプラントを露出させる必要があるので、 ここで2回目の手術が発生します。
手術でインプラントを露出したらアバットメントと人口歯を装着して完了となります。
メリット
2回法のメリットは患者を選ばないことです。 歯の状態が悪くても、腕のある歯科医ならば大抵の場合は2回法でインプラント治療ができます。
また、手術においてインプラントは顎の骨の中に完全に埋め込むので感染のリスクが低いです。 日々の生活でインプラントと骨の結合を邪魔することもありません。
1回法よりも時間をかけてじっくりと確実にインプラントと骨が結合させることができるのですね。
デメリット
手術回数が2回なので患者の体に負担がかかることがデメリットです。 また、費用も1回法よりも高くなる傾向にあります。
フラップレス手術
フラップレス手術とは歯肉を切開せずに手術をする新しい治療方法です。 通常、インプラント治療は1回法でも2回法でも歯肉をメスで切開する必要がありますが、 フラップレス手術ではその必要がありません。
ゆえに、手術後の腫れや痛みが通常の場合より少なく、治療期間も短縮されるメリットがあります。
無切開手術なので、患者への負担はかなり減りますね。
ただ誰でもできる手術ではなく、インプラントを埋め込む骨の状態が良く、 かつ歯科医の技術力が高い場合にのみできる治療方法です。
手術はCT検査でフラップレス手術ができる状態か入念に確認してから行います。
最後に
インプラントの手術方式は1回法と2回法の2つがありますが、 最終的にどちらの治療をするのかは歯科医が判断することもあるので、希望通りいかない場合があります。
もちろん歯科医は患者の歯の状態を考えて使い分けていますが、手術の仕方に不安がある場合は積極的に 理由を問いましょう。
それでも納得できない場合は複数の歯科医に歯の状態を診てもらい、 本当にその手術方式で良いのか確認すると良いでしょう。
ある歯科医の話ですが、安全性を考慮して2回法を選ぶ歯科医が多いが、 現在ではフィクスチャーの定着率の差は1回法と2回法でなくなってきているため、 骨造成をすれば2回、それ以外は1回法が一般的になってきているとのことです。
その他
調べる過程で気になった情報の一覧です。真偽がわからないので、いずれ調査したいと思います。
- 前歯など審美性が問われるところは調整が聞く2回法が良い